経営者

M&Aに纏わる労務リスクとは?

みなさんこんにちは。ウィル・スキル・アソシエイトの人事コンサルタント、土居雅弘です。今日は企業の合併時における労務リスクについてご紹介します。

深刻化する人手不足と事業継承

近年、人手不足が原因の倒産が増えているという事は他の記事でもご紹介していると思います。事実、業績は好調であるのに人材不足で経営を続けていくことが困難、という企業は非常に多いです。又、跡継ぎがいないために企業を畳んでしまう、という年配の経営者も多いでしょう。

参考: 人手不足が原因の倒産

活発化する企業統合

そのため、最近は中小企業の間でM&Aが活発化しています。M&Aと言うと、大企業のイメージが強いのではないでしょうか?大手企業の合併や買収は大々的にメディアで取り上げられます。しかし、実は中小零細企業でもよくあることなのです。大手の投資銀行は、割に合わないため手を出しませんが、中小零細企業を顧客とするM&Aコンサル会社は多いです。

企業統合に潜む労務リスク

M&Aでは、買い手は少しでも安く買いたいと思うと同時に買収先企業が何か問題を抱えていないか念入りに調査をします。お見合いの時の身辺調査に似たようなものですね。例えば財務面でなにか問題を抱えていないか、又は反社会的勢力との関わりの有無など、仲介業者は多角的に調べます。

しかし、最近注目されているのは、労務面での問題なのです。例えば、未払い給与など企業と従業員の間に問題がある場合、その多くは買収後に発覚することになります。

「嫌なオーナーもいなくなったことだし、今のうちに残業代を請求しよう…」

それまで会社に対し不満を抱えていた従業員がそう思うのは自然なことです。当然、解決する義務は新会社にあります。発覚してからの対処は非常に困難です。

未払い残業代がある場合、数千万円の支払いが課されたということになります。その他、買い取ったのは良いけど、従業員達に全くやる気がなかったということも…

このような事態にならないためにも、普段から適切な労務管理を行い、従業員との関係を良好に保っておかなければなりません。

統合後も、人の問題は難しい

企業統合に絡む人の問題はそれだけに留まりません。それまで全く違う環境で働いていた従業員同士が同じ会社に属する事になるのです。就業規則や人事評価制度、賃金や福利厚生などの人事施策も、どちらの会社に属していた人材たちが納得する形で統合しなければならないのです。

そして、一番難しいのは「文化」の面でしょう。例えば同じ業界に属する企業同士でも、社風が全く異なるということはよくあります。考え方や仕事の進め方に到るまで、全てにおいてです。

未払い残業代などの労務リスクに関しては事前にきちんと整備することで対応可能ですが、この部分についてはどうしても時間がかかります。至ることころで従業員同士の摩擦が起こるため、その都度、個別の対応が必要になってくるでしょう。

研修を行い、新会社の方向性を全社員で共有することから始めなければなりません。例えば、コンピテンシーの活用などが効果的でしょう。

参考:コンピテンシー

統合後の業績が上手くいくかどうかはこの部分にかかっているといっても過言ではありません。それだけ人の問題は難しいのです。

まずは専門家に相談を

この問題に関しては、やはりノウハウを蓄積している専門のコンサルタントを活用することが有効です。その前に、まずは自社の労務管理を徹底しておきましょう。この部分は自社でも対応可能です。

それでは皆さん、また次回、お会いしましょう!

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