従業員の健康=生産性向上?健康経営とは何か?
こんにちは。ウィル・スキル・アソシエイト株式会社の漆澤です。
突然ですが、皆様は、「『健康経営』という言葉をご存知でしょうか?」
健康経営とは?
『健康経営』とは、従業員の健康管理を経営戦略の一つと捉え、従業員の健康管理をコストではなく、投資ととらえる考え方に基づいた経営手法です。日本では、少子高齢化による労働力不足が問題となる中、国の重点施策として生産性の向上があげられています。このような状況のもと、生産性の向上の一つの施策として、今、『健康経営』が注目されています。
■『健康経営』のメリットとは?
『健康経営』の主なメリットは3つが挙げられます。
- 従業員の生産性向上
- 人材採用コストの削減
- 医療費の適正化、削減
- 従業員の生産性向上
「従業員が健康な状態で働いているのと、不健康な状態で働いているのとでは、どちらが生産性が高いと言えるでしょうか?」
もちろんこの質問の答えは、従業員が健康な状態で働いている方が生産性が高いと言えます。
従業員の健康を考えるうえで、『プレゼンティズム』という考え方があります。『プレゼンティズム』とは、”出勤はしているが、健康上の問題で100%のパフォーマンスを発揮できない状態”であることを意味します。例えば一説によると、風邪だと4.7%、花粉症だと4.1%の仕事のパフォーマンスが落ちると言われており、プレゼンティズムは生産性に大きく影響します。
高度経済成長期には、『風邪をひいても出社せよ!』というようなイケイケな文化を持つ企業もありましたが、生産性向上が注目されている今、プレゼンティズムを発生させないよう『健康経営』に取り組み、従業員の健康と深くかかわることで、生産性を向上させようという動きがでてきました。
また、従業員一人一人が重要な役割を担っている中小企業にとって、従業員が病気により働くことができなくなることは、非常にリスクを伴います。従業員の健康を従業員任せにせず、会社としても従業員の健康に対し投資することで、このような事態を未然に防ぐことができる可能性が高くなります。結果的に、このような事態に対するリスクヘッジとなり、労働力の維持にもつながります。
- 人材採用コストの削減
従業員を大切にしている会社ととらえられ、企業イメージが向上します。企業イメージが向上すれば、企業の魅力度が増し、他企業との差別化もできるため、優秀な人材が採用しやすくなり、人材採用コストの削減につながる可能性があります。
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医療費の適正化、削減
従業員が健康で働き続ければ、医療費の適正化及び、削減ができます。従業員の高齢化による企業の医療費負担の増加が問題視されておりますが、『健康経営』が一つの解決策になることが可能です。
■『健康経営』の取り組みとは?
以下が『健康経営』の取り組み事例です。
コストをかけずに実施できることも多いので、取り組み易いものから実施することがおすすめです。
- 社長による「食」の情報提供→季節に応じた旬の食材やその調理方、健康面での効果などを従業員全員に回覧
- 健康状態の共有に向けた工夫→ホワイトボードによる全従業員の「今日の体調」の共有
- 「メモリアル休暇」の新設→家族に関わる祝い事であればなんでも休暇を取得できる制度、
- 要再検査受診率100%の達成への取り組み→対象者への再検査の日程確認や事後フォローを管理
出所:中小企業の健康経営(日本政策金融公庫 研究所)
- 禁煙キャンペーン→禁煙にチャレンジすることを宣言した従業員を対象に、毎月2,000円のチャレンジ賞、6か月継続で「禁煙達成賞」として5,000円を贈呈する内容(非喫煙者には「非喫煙手当」として毎月2,000円を支給)。
- 始業前のラジオ体操
- 家族も参加できる新緑ウォーキング
- 「ヘルシー休暇制度」→年次有給休暇の繰り越し分を有給のヘルシー休暇として持ち越し。最大110日まで貯金可能で、本人の病気や親族の介護等で必要になった際に、最大半年程度有給で休暇を取ることが可能。
出所:中小企業における健康経営のススメ(経済産業省 近畿経済産業局)
いかがでしたでしょうか。今回は『健康経営』について、ご紹介させていただきました。『健康経営』を実施した後の効果が見えづらい等、色々な課題はありますが、まずは取り組み易いものから取り組んでみてはいかがでしょうか?