後継者や幹部をどのように育てればよいのか
今、中小企業で問題になっていること、これは、様々な要因がありますが、どの企業でも、「任せられる人」がいません。
経営者が高齢の会社も多く、実際30年位前の経営者年齢と今を比較すると、20歳以上高齢化しているようですね。
そうなると、経営者は、「後継者」を見つけ、または育てないと、会社が存続できません。
実際、後継者がいないがために、業績が安定している会社を、やめないといけないという話を何件も見ました。
また、ベンチャー企業では会社が成長する中で、社長1人がぐんぐんけん引してきたのはいいのですが、幹部、中間社員が育っておらず、社長との差が開く一方、という会社も9割です。
この事は、私自身、様々な経営者様とお話をする中で、より年々顕著になってきているような気がします。
成長する上で、やはり「No,2育成」「幹部育成」「管理職育成」と、後継者をどんどん誕生させ、
「社長育成」までも行っている中小ベンチャーは常に成長を遂げています。
しかしながら、多くの会社では、これが、会社の発展や未来の大きな足かせとなっているのです。
ではどうしたらいいでしょうか?
その答えとしては、
「任せられる人」を見つけるか、育てるしかないのです。
「そんなの当たり前でしょ?」と思われたかも知れません。
でも、「当たり前の事を徹底的にちゃんと行う」事は極めて難易度が高かったりもするのです。
ここでは、育てる方向で考えたいと思います。
私が色んな会社を見てきた中で、3つのポイントを紹介します。
1.そもそも本気で育てたいと思っていますか?
実は、多くの経営者は、潜在的に育てようと思ってるけど、本気で育てようと考えた事がない人が大半です。
そうではなく、勝手に育つものだと思っています。
それでは中々育たないのも無理がありませんよね?
自分で学びとれる人は確かに貴重ではありますが、やはり会社側、上司側が後押しして、
部下を本気にさせていかないと厳しいと思います。
そもそもなのですが、日本の会社は、諸外国と比較しても、教育投資をほぼ行っていません。
いつまでもOJTメインです。
これはまぎれもない事実で、今、それでは通用しなくなってきているのですね。
なので、業務は出来るけど、マネジメントが出来なかったり、経営が出来ない人がほとんどなのです。
最近でこそ、ビジネススクールやその他、研修で学ぶ等と言う事が増えてきてはいますが、
いずれにせよ重要なことは、まずは教える側がスイッチを入れる事です。
そのスイッチとは、OJTもOFFJTも、それ以外の考える事は全部やる、外部も内部も使えるものは全部使っていく、という感覚が必要になってくるのです。
また、教える側がどれだけ学んでいるかも重要です。
よく「会社の器が社長の器よりは大きくならない」と言われますが、
まさにこの事を指し示しています。
2.成功体験を教えるのがへたくそ
どうすればうまくいくのか?
を精神論でしか語れない人が多すぎるのです。
精神論を否定はしませんが、「精神論一辺倒」は危険ですし、面白くないです。
「昔はこうだった」とか「あの時こんな苦労をしたから」と言うのはいいけども、それでどうやってうまくいくのですか?
会社には、「暗黙知」という当たり前の知識やスキルと「形式知」という形になったものがあります。
これは、有名な「ナレッジマネジメント」という体系であり、
ナレッジを表出化させる、「エクスナレッジ」というのが有効です。
(こちらについて詳しくお聞きになりたい方は、問合せ下さい)
当社でも組織コンサルティングを行う際に、ここのご相談をよく頂きますが成功体験をいかに簡単に積ませるか、そのために何が必要かをしっかり明確化しないといけないのです。
そして、多くの会社でこれが出来ていないのが現状だったりします。
3.やりがいを見せられているか?
今、日本の若者は「社長になりたくない」と考えている人が多いようです。
なりたいけどなれない、ではなく、なりたくない、っていうのは正直さみしい気がしますよね。
これはひとえに、全ての先輩の姿勢が、悪影響を与えているのではないでしょうか?
すみません、上司である方々に苦言をいっちゃってますが、半分は真実だと思います。
なので、自分が率先して、「なりたい人物」として、尊敬を集められるには一体どうすればいいか?
これを指針に上司からまず動くしかないと思います。
また、最近では、「上司と飲みに行きたくない」と若者は考えてしまうようですが、
その上司自身が、面白い事を言えなかったり、役に立つ話を部下に出来ていないかだと私は考えます。
「あの人とだったら行きたいな」と思われる上司を目指してみませんか?
まずはこういった所から、考えていくことが極めて重要かと思いますね。
まとめ
後継者や幹部を育てるには、まずは「そもそも」を見直して入口から設計していきましょう。
そもそものあなたに矢印を向けて考えてみること。