書評:代表竹内

これこそ最高の経営の教科書!?

eiei
企業の変革、会社が変わっていくリアルな話を知りたい人は多いですが
そういう方に最適な書です。
まさに経営の教科書ともいうべき1冊です。
「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「V字回復の経営」の3部作に続く4作目です。

竹内的5段階評価 ★★★★★ 5

 経営理論を小説を読みながら覚えていく、という形式の書です。
非常に面白く読めるだけでなくスト―リーに引き込まれていき
臨場感あふれる経営現場を体感できます。
理論も非常にわかりやすく腹落ちしやすいものであり経営者にとってはおすすめの1冊です。
どちらかといえば、中堅企業をグルーバル大企業に変えていくという
三枝社長の日体験がもとになっているため、大きな会社の変革がテーマになっていますが
中小企業経営者でも十分楽しめる内容です。
【同書のチェックポイント】

切断とは、人のクビを切ることではない。惰性に任せてきた「経営の流れ」を切断し、組織の新しい方向性を導き出し、それを実行するという意味だ。(中略)まずは問題のボトムに潜む本質に迫り、問題の構図を「単純化」しなければならない。

一般論でいえば、修羅場とは、事態のコントロールが自分の手から離れ始め、他人の思惑や損得、保身、感情などに翻弄され、自分が追いつめられる状態を指す。

プロ経営者とは?

1どんな状況の会社に行っても短期間で「問題の本質」を発見できる人

2それを幹部や社員に「シンプル」に説明できる人

3それに基づいて幹部や社員の心と行動を「束ね」、組織の前進を図れる人

4そしてもちろん、最後に「成果」を出せる人

5業種、規模、組織カルチャーなどの違いを超えて、どこの企業に行っても通じる「汎用的」な経営スキル、戦略能力、企業家マインドを蓄積している。

6その裏付けとしてプロ経営者は、過去に、修羅場を含む「豊富な経験」を積んでいる。

難しい状況に直面しても、これは<いつか見た景色>だと平然としていられる。

7プロには自然に「それなりの高いお金」がついてくる

どんあ会社であれ、新しいことをリードしようとする者には必ず、何らかのかたちの「死の谷」が待ち受けている。

現在の事業に少しずつ工夫を重ねていく「漸進的改善」を続けていても「抜本的改革」が成功したときの劇的変化には至らない。

90年代初めトヨタ生産方式は単なる生産改善手法ではなく、企業の<時間の戦略>として機能している、と米国人が喝破した。それは、改善の視野を工場だけではなく事業全体にステップアップさせる歴史的発見だった。

リーダー能力は<フレームワーク>の質と量で決まる。

改革の成否は、基本的には一枚目(現実直視、問題の本質、強烈な反省論)の提示で勝負が決まる。改革の冒頭にいきなり天王山が来てしまうのだ。

会社が大企業病になると「開発→生産→営業」の連携スピードが鈍くなる。顧客要求を社内に戻し、その答えをまた顧客に届けるスピードも遅くなる。

時間がかかってもいいから、正しいことをしろ、中途半端に妥協するな、理想像に到達することにこだわり続けろ、という意味だ。

リーダーの仕事は「謎解き」から始まる

ひとつの改革を成功させたうえで、その手法を水平展開するステップを踏んでいくのが常道である。

社外から来た改革者は、過去の経営や戦略に連座していないので、自らの過去責任を問われることなく変革を打ち出すことができる。

経営リテラシーは、座学で習得した論理を、経営現場で試し、失敗と成功を繰り返すことで高まっていく。経営トップの「戦略創造性」が勝負を分ける時代が来ている。

経営リーダーは現場の実作業に触れつつ、部下よりも一段高い視点で問題をとらえなければならない。

戦略とは、①戦場・敵の動きを②俯瞰し③自分の強み弱みから④勝負のカギと⑤選択肢を見極め⑥リスクバランスを図りつつ⑦絞りと集中によって⑧所定の「時間軸」内で勝ち戦を収めるための⑨ロジックである。そして⑩その戦略の「実行手順」を⑪長期シナリオとして⑫組織内に示すもの、である。

成功する改革案は、論理的な正しさが大前提だが、それに加えて、社員の心に訴えるストーリー性ないしドラマの匂いを与えなければならない。

乱暴な人事とは、潜在力と上昇志向が十分だと思われる社員に現在の能力を超える挑戦の機会を与えることだ。本人のストレッチ限界に見合った<身の丈に合ったジャンプ>なら成功確率は高いが、ストレッチ限界を見誤って<身の丈に合わないジャンプ>をさせると破たんリスクが高まる。

早期の抜擢や「乱暴な人事」を行うと、責任が上がったのに、下位ポジションの思考や行動をそのまま持ち込む者が多い。これを上位ポジションの「矮小化」と呼び、それはその組織の劣化を意味する。

劣勢ないし後発の企業が中途半端な体制で新商品や新技術を売り出すと、かえって競合にアイデアを与え、競合反応の時計に早々にスイッチを入れることになりかねない。

関係者を縛っている社内常識や制約条件を思い切って取り外してやると、彼らの思考はガラリと変わり、組織は新しい行動に向かう。

会社でも個人でも、修羅場に落ち込んだ人々をとりあえず救う即効薬は「時間軸の解放」である。

事業を元気にするには<創る、作る、売る>を貫く<5つの連鎖>すなわち「価値連鎖」「時間連鎖」「情報連鎖」「戦略連鎖」「マインド連鎖」を抜本的に改善しなければならない。

生産改善の重要なねらい目は生産リードタイムの短縮である。生産着手から出荷までの経過時間を短縮するのだ。

経営者が「生産改善はボトムアップの日本的手法だ」と考え、上からただ眺めているだけの会社では生産改善は大した結果を生まない。

改革と呼ばれるものには、「抵抗やサボりの症状が出るのは当たり前」と思って臨む必要がある。改革リーダーは、それを前提にして、きちんと社員と対話し、正論をぶつけ、野党意識と向き合う必要がある。

ダイナミックな事業を生み出すには、組織は上から作るのが原則である。目先の都合で組織下位の人事を先に決めれば、そのレベルにあわせて上司も選んでしまうからだ。

競合や顧客への対応が崩れているとき、本社は鈍感でも顧客との営業接点で多くの矛盾が表面化している。

アウトソースを重視するあまり、革新への感性が鈍ってしまうほど社内機能を削ってしまうと、その会社は「戦略を自律的に切り替える能力」まで失ってしまう。

トヨタ生産方式の教訓では、作業の流れをスムーズにすると<TAT>(戻すまでの経過時間)が短くなる。

小さな成功でいいから、「自分たちは成功への路線に乗っている」ことを彼らが確認できるような早期成果をタイムリーに、会社として認知し続けることが重要だ。

失敗経験を経た人を活かさないと社内の人材はたまってこない。

失敗した時にその部下を<しっかり叱る>という組織カルチャーがあるかどうかはその会社の強さに影響する。

 ▼合わせて読む

「【書評】コトラー マーケティングの未来と日本」

「【書評】経営は会計力と論理的思考力だと思わされる書籍。」

「ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ─ルール、相手、土俵を変える」

「未開拓の市場を生み出すブルーオーシャン戦略」

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【その他】雑誌・ブログ等に記事多数寄稿。


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