書評:私が気になったビジネス本をご紹介

【書評】生涯投資家

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昔一世を風靡し世間を騒がせた村上ファンド。
その村上ファンドの村上氏のルーツが書かれた1冊です。
経営者も投資家も必読かなと思います。

竹内的5段階評価 ★★★★★ 5

今年一番個人的には興奮した本の1つです。
投資家という立場から上場企業のあるべき姿や村上ファンドの阪急阪神買収や
ホリエモン等の昔のハゲタカと揶揄された時代の事が極めて赤裸々に書かれています。
 経営者として襟元を正したいと思った1冊です。
また同書のストーリーを読む事で氏の印象も変わる方が多いのではないかと思います。
個人的には以下が特に参考になった言葉です。
「上がり始めたら買え。下がり始めたら売れ。一番安いところで買ったり、一番高いところで売れるものだと思うな」
この言葉は投資の格言だと思います。言うは易し行うは難しですね。
「資金調達の必要がなく、経営において株主から横やりを入れられたくないというのなら、非上場化してプライベートカンパニーにするべきである」
目的もなく上場のみをゴールにするんじゃなく言われたくないならそもそも上場などするなと言っておられるのもその通りだなと共感しました。
「余剰資金は、より利益を出すための投資に振り向けるか、そうでなければ株主に還元すべきというのが、私の持論だ」
経営者だとどうしても内部留保等のリスク回避に逃げがちですがそうではなく投資するか配当する事でROEを高める事を言われています。

【同書のチェックポイント】

■父の仕事は投資家だった。いつも、「お金はさみしがり屋なんだ。みんなで戯れたいから、どんどん一カ所に集まってくるんだよ」と言っていた

■父はいつも「上がり始めたら買え。下がり始めたら売れ。一番安いところで買ったり、一番高いところで売れるものだと思うな」と言っていた

■私の投資は徹底したバリュー投資であり、保有している資産に比して時価総額が低い企業に投資する、という極めてシンプルなものだ

■私の投資スタイルは、割安に評価されていて、リスク度合いに比して高い利益が見込めるもの、すなわち投資の「期待値」が高いものに投資をすることだ。投資判断の基本はすべて「期待値」にある。いろいろな投資案件において、きわめて冷静に分析や研究をして、自分独自の「期待値」を割り出している。たとえば、百円を投資する場合の「期待値」の計算方法は、次のようになる。
・0円になる可能性が20%、200円になる可能性が80%であれば、期待値は1.6(0×20%+2×80%=1.6)
・0円になる可能性が50%、200円になる可能性が50%であれば、期待値は1.0。
・0円になる可能性が80%、200円になる可能性が20%であれば、期待値は0.4。
期待値1.0を超えないと、金銭的には投資する意味がない。この「期待値」を的確に判断できることが、投資家に重要な資質だと私は考えている。ちなみに多くの投資家は、0円になる可能性がある程度(20%以上)ある場合は、投資をしない。また、負ける確率が5割以上と考えた場合も投資しない(たとえば、5回投資して2勝3敗以下と予想される場合)。このように、リスクが高い場合や勝率が低い場合には投資を避けるのが普通だが、「期待値」と勝率は別の概念だ。勝率が低いと言われる場合でも、自分なりの戦略を組み立てることで、勝率は変わらなくても、期待値を上げることはできる。

私の場合はすべてが「期待値」による判断なので、0円になる確率が5割を超えていても、勝率が1勝4敗でも、トータルリターンが1.0を大きく超えるかどうかで判断する。

■投資家として大事なことは、失敗した時がついたときにいかに素早く思い切った損切りができるか。
■投資につきものであるリスクを査定する際には、定量的な分析よりも定性的な分析が重要なポイントとなる。数字や指標の判断よりも、経営者やビジネスパートナーの性格や特徴を掴むことだ
■株式会社は絶対的に株主のものである。資本と経営の分離は株式会社の置ける基本中の基本である。

■上場企業は上場した故に、市場から資金と調達できるが、その分のオペレーションコストがかかることと、いつでも買収されるリスクがある。

■資金調達の必要がなく、経営において株主から横やりを入れられたくないというのなら、非上場化してプライベートカンパニーにするべきである

■コーポレートガバナンスをきかすことは経営の基本であり、これが経営者としてできていないこと、これができていない上場企業はありえない。

■余剰資金は、より利益を出すための投資に振り向けるか、そうでなければ株主に還元すべきというのが、私の持論だ

■「たくさんの手元キャッシュや利益を生み出していない資産をお持ちのようだが、これらを今後の事業にどのように活用していく計画なのか」資金を眠らせて世の中への循環を滞らせることこそ、上場企業がもっともしてはならないことだと思っているから、必ずこの質問をするのだ。しかし明確で納得のできる回答は、ほとんど得られない

 

▼合わせて読む

・【書評】経営は会計力と論理的思考力だと思わされる書籍。・

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